「あの人ならできるはず」
「主体的に動いて」
「今回は攻めよう」
全部、強そうな言葉です。
でも現場からすると、何をすれば終わりなのか分かりません。
強キャラだけ渡されて、操作説明なしでレイドに放り込まれています。
能力があることと、その能力を仕事で使えることは別です。
「攻める」を作業に変える
たとえば「今回は攻めてほしい」と言われたら、最低でも次を決めます。
- 何ができたら勝ちか
- 何を試すか
- 誰が何を担当するか
- いつ確認するか
- どこまで自分で決めていいか
- 失敗したら何を変えるか
- どの条件でやめるか
これがないと、進めれば「そこまでやるな」、確認すれば「もっと主体的に」が起きます。
資料も「作って」だけでは作れない
「資料を作って」も同じです。
誰が読むのか。
何を決めてもらうのか。
1枚でいいのか、20枚必要なのか。
費用だけ比較するのか、リスクまで入れるのか。
ここが決まって初めて作業になります。
たとえば、
「来週の会議でA案とB案を選ぶため、費用・利点・リスクを1枚で比較する」
なら、かなり動きやすいです。
主体性には「勝手に決めていい範囲」が必要
主体性は、全部を自分で決めることではありません。
自分で考える。
案を出す。
決めていいところは進める。
権限がないところは確認する。
この境界が必要です。
主体性を求めるなら、エスパー免許ではなく判断範囲を渡してください。
やめる条件も先に決める
途中でやめること自体は悪くありません。
予算が足りない。
期限に間に合わない。
リスクが大きい。
こういう理由はあります。
でも「いつやめるか」が後出しだと、現場は何を学べばよかったのか分かりません。
「予算が○円を超えたら止める」
「○日までに試験が通らなければB案へ切り替える」
のように先に決めれば、試した結果が次へ残ります。
できる人が毎回補完すると、穴が隠れる
仕事ができる人は、曖昧な依頼でも勝手に不足情報を補います。
その結果、会社からは「問題なく回っている」に見えます。
でも実際には、その人の頭の中だけで仕様書を作っています。
人が変わると急に回らなくなる。
そこで「前の人はできたのに」と言われます。
前の人が人間APIとして全部つないでいただけです。
「わかる」「できる」「毎回できる」を分ける
説明を聞いて分かる。
一度やってできる。
条件が変わっても毎回できる。
これは別です。
組織で欲しいのは、特定の人だけができる状態ではなく、仕事の進め方が共有されている状態です。
目的。 完成条件。 担当。 確認時点。 やらない範囲。 やめる条件。
ここまで出て、ようやく「できるはず」が実際の戦力になります。
「できる人」を待つより、誰でも動ける順番を作る
仕事で「普通ならできる」「経験者なら分かる」と言いたくなる場面はあります。
でも、ゴール、使っていい時間、確認相手、やめる条件が分からなければ、能力があっても判断はばらつきます。
たとえば「取引先へ攻めて」と言う代わりに、「候補を3社出す」「過去実績を確認する」「金額がこの範囲なら提案する」「超えるなら上司へ確認する」と分けます。
これなら、人による差が小さくなります。うまくいかなかったときも、能力ではなく工程のどこで止まったかを見られます。
『センスでお願いします』は、手順書が有給を取った状態です。
強い人に全部任せるより、次の人も同じように動ける形へ残す。その方が仕事は資産になります。
