会社「離職対策で交流会を増やします」
社員「仕事量は?」
会社「交流会で一体感を」
社員「人員は?」
会社「運動会も検討しています」
火事場にレクリエーションを追加しています。
イベントが楽しい人もいます。
人間関係のきっかけになることもあります。
でも、辞めたくなる原因が仕事そのものなら、先に仕事を見た方がいいです。
冷たくなった人を「態度」で終わらせない
以前はよく動いていた人が、急に、
「もう知らない」
「言っても無駄」
「最低限だけやる」
と言うようになることがあります。
理由は一つではありません。
ただ、長く仕事で消耗している可能性もあります。
WHOはバーンアウトを、うまく管理されていない慢性的な職場ストレスに関係する職業上の現象として整理しています。
ここで本人へ「もっと前向きに」と言う前に、仕事の側を見ます。
飲み会が触れるのは、仕事の一部だけ
仕事の負担には、
- 仕事量
- 自分で決められる範囲
- 上司や周囲の支援
- 人間関係
- 自分の役割が分かるか
- 急な変更が多くないか
などがあります。
飲み会や運動会で触れられるのは、よくても人間関係の一部です。
仕事量や権限不足まで、乾杯では消えません。
ビールに人員補充機能はありません。
真面目な人が「組織の吸収材」になっていないか
誰の仕事か分からない。
でも放置すると困る。
だから真面目な人が拾う。
次も拾う。
休むと止まるので、また本人がやる。
短期的には助かります。
長期では、その人だけにグレーな仕事が集まります。
人間を緩衝材として使うと、いつか緩衝材が退職届になります。
「大丈夫?」より仕事の詰まりを聞く
燃え尽きを見つけるために、個人を監視する必要はありません。
仕事へ聞きます。
- 今いちばん重い仕事は何か
- 誰の判断待ちか
- 止めてもいい仕事は何か
- 休んだら止まる仕事は何か
- 自分の権限を超えて責任を持っていないか
- 代わりにできる人はいるか
ここで詰まりが見えれば、仕事を減らす、担当を分ける、判断者を決める、手順を残す、といった対策ができます。
STOPリストも作る
仕事を増やす会議はよくあります。
減らす会議は少なめです。
そこで、
「今月やめる仕事」
「担当者が決まるまで止める仕事」
「効果が薄いのでやらない仕事」
も決めます。
確認待ちリストだけ育てると、仕事が盆栽ではなくジャングルになります。
社外の人と話す方が効くこともある
社内イベントではなく、勉強会や同業の交流など、会社の外へ出ることが役立つ人もいます。
「自分のやり方は他社でも通じる」
「この仕事の進め方は普通ではなかった」
と比較できるからです。
ただし、それも本人が行きたい場合の話です。
休日を削って強制するものではありません。
離職対策は「辞めないで」より「何が削っている?」
辞めそうな人へ面談を増やす。
イベントへ誘う。
引き止める。
それより前に、仕事量、役割、権限、支援、代替者を見ます。
辞める人を説得するより、辞めたくなる仕事を減らす。
離職対策の本丸はそこです。
辞めたい理由と、イベントで触れる場所を分ける
離職対策を考えるときは、「辞めたい理由」を先に並べます。
仕事量が多い。上司とのやり取りがしんどい。評価に納得できない。勤務時間が合わない。給与が低い。理由によって直す場所は違います。
イベントで他部署と話しやすくなることはあります。でも、残業時間や評価制度を直接直すものではありません。
だから、イベント後に見るなら参加率や相談先の増加など、近い変化です。離職率が動いたとしても、イベントだけの効果とは決めつけません。
火災報知器が鳴っている横で交流会の席順を決めても、先に消火器です。
楽しい施策を否定する必要はありません。主な原因を直す施策と、補助になる施策を分ける方が、社員にも会社にも分かりやすくなります。
