頑張って仕事を回す。
すると次も任される。
また回す。
さらに仕事が来る。
便利屋のレベルだけ上がるRPGです。
努力が実績や裁量につながるならまだいいです。
きついのは、誰も決めていないことを毎回こちらが埋め、その補完作業だけが増える職場です。
難しい仕事より「何のためか分からない仕事」が削る
難しい仕事には、まだ攻略法があります。
目的を確認する。 期限を決める。 順番を作る。
でも、目的のない資料、何を決めるか分からない会議、誰が読むか分からない調査は違います。
仕事そのものより、空欄を読む作業が増えます。
本来、仕事を渡す側が決めたいのは次です。
- 何のためにやるか
- いつまでか
- 誰が最後に決めるか
- どこまで作れば十分か
- 何を優先するか
- 今回やらなくていいこと
ここがないまま「主体的にやって」は、地図を渡さず探索を始めるようなものです。
空欄を埋めた人だけが後から怒られることがある
指示が曖昧なら、受けた側は仮に決めて進むしかありません。
ところが、進めると「勝手にやった」と言われる。
止まって確認すると「自分で考えて」と言われる。
これが続くと、仕事のできる人ほど先回りして全部抱えます。
そして会社側から見ると「回っている」ので、問題が見えなくなります。
消火器が優秀すぎて、火事が経営課題にならない状態です。
管理者も同じ仕組みで不機嫌になる
プレイヤーとして仕事ができた人でも、管理のやり方を教わらないまま上司になることがあります。
上から仕事が降る。 人は足りない。 判断する時間もない。 でも結果は求められる。
余裕がなくなると、放置するか、細かく口を出すか、不機嫌になるかに寄りやすくなります。
もちろん不機嫌なら何をしてもいいわけではありません。
ただ、同じような管理者が複数の部署で生まれているなら、一人の性格だけでは説明しにくいです。
人が辞めるなら、採用人数より「入った後」を見る
人が足りないと、採用を増やしたくなります。
でも、入社後に人が削れるなら、入口だけ広げても追いつきません。
穴の空いたバケツに、採用という給水車を呼んでいます。
見るのは、配属、教育、業務量、上司、役割、評価、後出しの多さです。
「何人採れたか」だけではなく、「なぜ残れなかったか」を見ないと同じことが続きます。
自分が職場の欠陥を吸収し続けない
まず、提案したこと、止まった理由、誰の返事待ちかを短く残します。
仕事が止まったときに、全部を自分の能力不足へ変換しないためです。
何度確認しても目的や判断者が出ない。
頑張った人にだけ仕事が増える。
別の部署でも同じことが起きる。
そこまで続くなら、自分だけで職場を修理する前提を外していいです。
努力は大事です。
でも、努力が成果ではなく穴埋めにだけ使われる場所では、頑張り方を変える必要があります。
自分まで会社の補修パーツにならなくていい。
空欄を埋める人ほど、空欄が集まってくる
誰も決めていない仕事を拾う。遅れている案件を助ける。説明不足を自分で補う。最初はそれで仕事が進みます。
問題は、その成功が続くと「この人に渡せば何とかなる」が仕組みになることです。
すると役割は増えるのに、権限や人員は増えない。助けた実績が、そのまま次の追加業務の理由になります。
自分を守るには、拾った仕事を見える形にします。「本来の担当」「今回だけ対応」「次回から誰が持つか」を残します。助けることと、永久担当になることを分けます。
穴を埋めるのが上手い人を、会社が穴そのものとして使い始めたら危険です。
頑張る量だけでなく、仕事がどこから来てどこへ戻るかを見ると、消耗の原因を見つけやすくなります。
