人間関係で難しいのは、
「嫌なら言えばいい」
の次です。
言った。
でも通じない。
もう一度説明する。
さらに説明する。
説明文だけ長くなる。
こちらだけ取扱説明書が第8版になります。
どこまで話し合い、どこから距離を取るかは、2段階に分けると見やすいです。
1段階目:一度は具体的に伝える
最初から「この人には何を言っても無駄」と決めると、単なる行き違いまで切ってしまいます。
まず一度、
何が起きたか。
自分は何が負担か。
次からどうしてほしいか。
続いたら自分はどうするか。
を伝えます。
たとえば、
「予定を入れる前に確認してください。確認なしの予定には参加できないことがあります」
「怒鳴られている間は話せません。落ち着いてから話します」
です。
相手を悪人認定する必要はありません。
境界線は「お前が変われ」ではない
コントロールは、
「私が嫌だから、お前は絶対こうしろ」
です。
境界線は、
「この状態なら、私は参加しない」
です。
相手には断る自由があります。
自分にも、その条件では関係を続けない自由があります。
相手のコントローラーを奪うのではなく、自分の参加ボタンを自分で持つ。
2段階目:言葉より反応を見る
境界線を伝えた後、相手がどう返すかを見ます。
「気づいてなかった」
「全部は無理だけど、ここは変えられる」
「じゃあお互いこうしよう」
なら、交渉できます。
全部こちらの希望通りでなくても、NOそのものは認めています。
反対に、
「そんなことで嫌がるお前が悪い」
「お前が変われ」
「そんな境界線を出すな」
と返るなら、説明の量だけが問題ではない可能性があります。
謝罪より、次の行動を見る
「ごめん」
と言っても、同じことが続く場合があります。
逆に、言葉は不器用でも行動が変わる人もいます。
見るのは、
事前に聞くようになったか。
怒鳴ったら会話を止められるか。
NOを押し切らなくなったか。
です。
謝罪スタンプを何個集めても、行動が同じならゲームは進みません。
説明を増やせば必ず通じるわけではない
自分の伝え方を直す余地はあります。
でも、毎回こちらだけが説明を増やし、相手は境界線を無視し続けるなら、説明力だけの問題ではありません。
その場合は、会話の回数を減らす。
会う頻度を下げる。
仕事なら記録や第三者を入れる。
必要なら関係そのものを見直す。
といった選択があります。
距離を取るのもアサーティブの一部
アサーティブは、何でも話し合いで解決する技ではありません。
自分の気持ちや必要を伝える。
相手にも選択を認める。
その反応を見て、自分の参加を決める。
一度伝える。反応を見る。線を踏み続けるなら、自分が後ろへ下がる。
説明会を永久開催しなくていいです。
説明を増やしても通じないなら、距離を変える
最初の一回は、こちらの説明不足かもしれません。
なので、何が嫌だったか、次からどうしてほしいかを短く伝えます。それで変われば終わりです。
同じことが続いたら、もう一度だけ具体的に伝えます。「前にも伝えたこの行動が続いている。今後も続くなら、この場には参加しない」のように、次の行動まで決めます。
それでも繰り返すなら、説明文を長くするより距離を変えた方が現実的なことがあります。
説明書を第12版まで増やしても、相手が読む気ゼロなら製本代だけ増えます。
距離を取るのは罰ではありません。会う回数を減らす、話題を限定する、第三者を入れるなど、自分が受ける負担を調整する方法です。
