「それくらい自分で調べてくれ」
「前にも送ったよね」
「目的くらい書いてから頼んでくれ」
仕事をしていると、こう思うことがあります。
内容としては正しいことも多いです。
でも、そのまま送ると次の仕事が始まります。
メールの内容ではなく、言い方についての会議です。
そこでAIを、正論を捨てる道具ではなく、刃だけ外す道具として使います。
「分からない」を3つに分ける
同じ「分かりません」でも違います。
1つ目は、本当に分からないので確認する人。
2つ目は、分からないことを責められたように感じて防御する人。
3つ目は、調べる・整理する・判断する作業まで相手へ渡す人です。
困るのは3つ目が続く場合です。
質問そのものより、探索の手間がこちらへ移動します。
怒りの中から「返してほしい作業」を探す
「自分で調べて」は、そのままだと人物評価に聞こえます。
代わりに、相手にやってほしいことへ変えます。
- 目的を教えてほしい
- 使用先を教えてほしい
- 期限を教えてほしい
- 最後に誰が決めるか教えてほしい
- 既存資料のどこが不足しているか教えてほしい
ここまで分けると、仕事のメールになります。
AIには本音を先に渡す
いきなり丁寧な文章を書こうとしなくて大丈夫です。
まず本音を書きます。
前にも資料を送った。
また同じ質問が来た。
何が分からないのか書かれていない。
全部こちらで調べ直すのは嫌。
そのうえでAIへ、
「要求は残す。相手の能力への批判は外す。短く事務的にする」
と頼みます。
感情をゼロにするのではなく、メールに載せない部分を分けます。
「正論」を仕事の条件へ変える
たとえば、こう書けます。
ご依頼内容を確認するため、先に以下を教えてください。
- 今回の目的と使用先
- 希望期限
- 最終判断者
- 共有済み資料のうち、不足している箇所
上記を確認後、こちらで対応できる範囲を整理します。
「調べろ」とは書いていません。
でも、前提整理を全部こちらで吸収する形にもしていません。
同じ質問が来たら、資料へ戻す
同じ内容を何度も聞かれたら、毎回ゼロから答えなくてもいいです。
「共有済み資料の3ページに記載しています。そちらをご確認いただき、分からない箇所があれば具体的に教えてください」
これで十分な場合があります。
FAQを人間の脳から毎回ライブ配信しなくていいです。
丁寧でも丸投げが続くなら境界線を作る
言い方を整えても、曖昧な依頼が繰り返されることはあります。
その場合は、口頭で即答しない。
メールで残す。
期限を聞く。
判断者を聞く。
自分が対応する範囲を明記する。
相手を怒らせないことより、仕事が無限に流れ込まない形を作る方が大事です。
AIには怒りを消してもらうのではなく、正論を業務用の形へ変換してもらう。
これなら、言いたいことまで捨てずに済みます。
AIには「怒りを消す」より「確認できる文」にさせる
腹が立っているときにメールを書くと、事実と感情が同じ文に入りやすくなります。
そこでAIに「丁寧にして」とだけ頼むと、今度は何を確認したいのかまで薄くなることがあります。
残したいのは、起きた事実、困っていること、相手に確認したいこと、期限です。消したいのは、人格への評価と余計な皮肉です。
たとえば「また見てないんですか?」ではなく、「昨日送った資料について、今日15時までに確認可否を教えてください」にします。
怒りを敬語でコーティングしても、中身がトゲ鉄球なら普通に痛いです。
AIは気持ちを無かったことにする道具ではありません。送信前に、相手が答えられる形へ変換するために使うと、正論を残したまま無駄な衝突を減らせます。
